「人工関節学講座」教授挨拶
佐賀大学医学部人工関節学講座
教授 河野 俊介
このたび、私は2026年4月1日付で佐賀大学医学部人工関節学講座の教授を拝命いたしました。身の引き締まる思いとともに、本講座のさらなる発展に向けて全力を尽くす所存です。

本講座は、2005年1月に日本初の整形外科分野における寄付講座として開設されました。佐賀大学元学長である佛淵孝夫名誉教授のご指導のもと、全国屈指の症例数を背景とした臨床研究からスタートし、京セラメディカル株式会社(当時日本メディカルマテリアル社)のご支援により、わが国の人工関節学の先駆けとして歩んでまいりました。
開設当初、前整形外科学講座教授の馬渡正明先生が准教授として礎を築かれ、今日まで「次世代型人工関節の開発」を大きな柱として活動を続けております。特に、私たちの生活様式に深く根ざした「和式の生活に対応できる人工関節の開発」、そして臨床上の大きな課題である感染症克服のための「抗菌仕様人工関節の開発」という2つの研究テーマは、本講座のアイデンティティそのものであります。
現在は研究のみならず、医学部附属病院での診療・手術にも日々邁進しており、教室のテーマである「難治症例の受け入れ」、「合併症の撲滅」を継承しつつ、今後は、さらに「患者満足度の向上」を新たな診療・研究テーマとして掲げ、手術の安全性や長期耐用性を高めつつ、患者さんが手術したことを忘れるほど自然に生活できる“Forgotten Joint”を目指して、術後の生活制限緩和などを目指していきたいと考えております。現在の術式は難しい症例にも対応可能で合併症率も低く、手術器具の進歩もあり、以前に比べてよりスムーズな機能回復が可能な状況となってきています。今後は、これまで培った標準化術式を基盤としつつ、患者さんの状態に応じたアプローチの使い分けやコンピューター支援手術の導入なども考慮し、患者さんのニーズに即したより最適な治療法を提供していきたいと考えております。
臨床現場での課題を研究によって解決し、その成果を再び患者様へ還元する。この循環を大切にしながら、佐賀から世界へ発信できる革新的な医療技術を創出してまいります。また、次代を担う若い股関節外科医の育成にも力を注ぎ、整形外科医療の未来を共に切り拓いていきたいと考えております。
今後とも、皆様の温かいご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

