佐賀大学整形外科では、診療班ごとに特色ある臨床・教育・研究活動を展開しています。
学生や研修医の皆さんに、診療内容やチームの雰囲気、最新の医療情報などをわかりやすくご紹介していきます。
今回は、腫瘍班の紹介です!学生や研修医の皆さんに、診療内容、チームの雰囲気、そして他では経験できない希少疾患の世界をご紹介します。
【腫瘍班の対象疾患と特性】
骨軟部腫瘍領域は、整形外科の中でも最も専門性の高い分野のひとつであり、骨・軟部組織に発生する良性腫瘍から悪性腫瘍(肉腫)、転移性骨腫瘍まで幅広く診療しています
・ 良性骨腫瘍
骨軟骨腫、類骨骨腫、血管腫など
・ 原発性悪性骨腫瘍
骨肉腫、ユーイング肉腫、軟骨肉腫など
・ 軟部腫瘍
脂肪肉腫、滑膜肉腫など
・ 転移性骨腫瘍
乳癌・肺癌・前立腺癌などからの骨転移
腫瘍疾患は診断・治療ともに高度な判断を要するとともに、救命と患肢温存を両立させるための精密な手術計画が求められます。腫瘍内科、放射線科、形成外科、病理部など、複数診療科との連携が必須となります。
【教育と研修】
骨軟部腫瘍班では、希少疾患を扱うからこそ、診断プロセスのロジックや手術計画の立て方を丁寧に解説し、学生・研修医が理解しやすい教育を重視しています。
学べる内容としては:
- Xp・MRI・CT・PETなどによる腫瘍画像読影の基礎
- 組織生検の適応と注意点、針生検の見学
- 手術見学(広範切除、エンドプロステーシス)
- 病理部との合同カンファレンス
- 転移性骨腫瘍の診断・骨折、麻痺リスクの検討
- 腫瘍内科学(化学療法・放射線療法)の基礎知識
【腫瘍班の魅力】
骨軟部腫瘍班の最大の魅力は、一例一例が「世界で唯一の症例」であることです。
同じ疾患名でも、腫瘍の位置、進展範囲、神経・血管の巻き込み方は全く異なり、
毎症例に合わせた“オーダーメイドの診療”が必要になります。
- 術野が解剖の教科書通りにでてくる
- 一例一例が全く異なる局在
- 整形外科の中で唯一生命にかかわる腫瘍外科の面と、運動器を扱う機能外科の面を併せ持っています
腫瘍班では段階的な教育プログラムを整備し、
初学者でも腫瘍診断の一歩を踏み出せるよう、丁寧な指導を行っています。







