[リレーブログ]
2025.05.09
佐賀大学整形外科
森本 忠嗣
診療班リレーコラム 第1回 脊椎外科班の紹介
佐賀大学整形外科では、診療班ごとに特色ある臨床・教育・研究活動を展開しています。
今月から、私たち整形外科の各診療班がリレー形式でコラムをお届けします。
学生や研修医の皆さんに、診療内容やチームの雰囲気、最新の医療情報などをわかりやすくご紹介していきます。
初回となる今回は、脊椎班の紹介です!
【脊椎外科の対象疾患と特性】
脊椎外科では、頚椎・胸椎・腰椎・仙椎まで、脊柱全体とそれに関連する神経疾患を幅広く扱っています。代表的な疾患は以下のとおりです:
- 頚椎症性脊髄症/神経根症
- 腰部脊柱管狭窄症/腰椎変性すべり症/分離症
- 椎間板ヘルニア
- 脊椎外傷(骨折・脱臼)
- 転移性脊椎腫瘍
- 感染性脊椎炎
- 成人脊柱変形(成人側弯症など)
高齢化の進行に伴い、脊椎疾患は年々増加しています。
【教育と研修】
脊椎外科の実習では、以下のような内容で指導を行っています:
- 手術見学や助手としての段階的な参加
- 脊椎X線/CT/MRI読影の基礎講義
- 神経学的診察や腰椎穿刺など、基本手技の実技指導
- 火曜の論文抄読会、水曜の症例カンファレンス・10分レクチャーの参加
また、医学生教育では「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」に沿って、診療参加型の実習を重視しつつ、科学的探求心を育てる教育を進めています。
その一環として、令和4年からは5年生・6年生、そして輔仁大学からの留学生に対して、英語での症例報告やLetter論文の執筆指導を積極的に行ってきました。
▶︎ 詳しくはこちら:https://www.med.saga-u.ac.jp/news/20250115_4591/
最近では、5年生の病棟実習中に、Letter論文や症例報告の指導を希望する学生も増えており、随時対応しています。希望する方は整形外科医局までお気軽にご連絡ください。
【脊椎外科の魅力】
脊椎外科の魅力は、なんといってもその診断の奥深さ、手術の精密さ、そして絶え間なく進歩する治療技術にあります。
さらに、術後の機能回復によって患者さんのQOL(生活の質)が大きく向上する姿を実感できるのも、この分野ならではのやりがいです。
一方で、重要な神経組織を扱うため、深い知識と高い技術が求められます。
そのため当班では、初学者にも理解しやすい段階的な教育プログラムを整備し、無理なく着実にスキルを身につけられるよう配慮しています。
研修医や学生の皆さんには、日常診療から手術トレーニング、研究活動まで幅広く、丁寧に指導する機会を数多く用意しています。
一緒に学びましょう!
脊椎外科には、神経診断の奥深さ、手術のやりがい、技術の進歩、チーム医療の面白さなど、整形外科の魅力がぎゅっと詰まっています。
ぜひ、私たちの現場を見学しに来てください!