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[リレーブログ]

2025.06.06

佐賀大学医学部附属病院
河野 俊介

診療班リレーコラム 第2回 股関節班の紹介

佐賀大学整形外科では、診療班ごとに特色ある臨床・教育・研究活動を展開しています。
今回は、人工股関節手術を中心に幅広く診療を行う股関節班の活動をご紹介します!

 

【診療内容と特色】

股関節は体幹と下肢を連結し、歩行の要となる重要な関節であり、障害されると歩行や日常生活に支障がでます。

大学病院では、変形性股関節症大腿骨頭壊死症関節リウマチなどを対象に関節温存手術人工股関節置換術を中心とした治療を行っています。合併症低減を目指した効率的で質の高い診療を行う事を理念として安定した術後成績が得られるように標準化術式にて短時間手術を心がけています。その他、ペルテス病大腿骨頭すべり症などの小児の疾患、高エネルギー外傷に伴う骨盤・大腿骨近位部骨折化膿性股関節炎などの診療も行なっております。

また、関連病院では骨粗鬆症を基盤とした大腿骨近位部骨折を対象とした診療が中心となりますが、近年では脆弱性骨盤(骨盤輪・寛骨臼)骨折などの発生数も増えてきており、高齢化社会に伴い対象患者さんは増加傾向にあります。

 

【教育と研修】

股関節班の実習・研修では、以下のような内容で指導を行い、医学生教育では「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」に沿って、診療参加型の実習を重視しつつ、科学的探求心を育てる教育を進めています。

  • 手術見学や助手としての段階的な参加
  • 股関節・骨盤の画像読影や2D/3D術前計画立案のためのミニレクチャー
  • 股関節診察や関節穿刺(エコー・透視)など、基本手技の実技指導
  • 症例や研究カンファレンスへの参加

また、感染対策・機能再建・教育の質のさらなる向上を目指して国内外の学会発表や論文発信も積極的に行ってまいりました。現在、術後感染(periprosthetic joint infection: PJI)対策としての抗菌人工関節の臨床応用やより安全で快適な術後回復のための術前・術後評価や術後機能回復の可視化に関する臨床研究などを行っております。研究活動を希望する方は随時対応しておりますので整形外科医局までお気軽にご連絡ください。

 

【股関節班からひとこと】

整形外科治療の中心的な対象疾患が股関節脱臼だった頃より、“股関節を制するものは整形外科を制する”と言われていたように股関節疾患は、患者さんのQOLに大きく影響する重要な分野です。また、人工股関節置換術は20世紀に最も成功を納めた手術術式の一つであり、術式やインプラントは日進月歩の改良を加えなが進歩し続けております。
知識や技術のブラッシュアップは常に必要ではありますが、日常診療から手術トレーニング、研究活動まで幅広く、丁寧に指導する機会を数多く用意して、無理なく着実にスキルを身につけられるように段階的な教育プログラムを整備しております。

機能回復を通じて長期的に患者さんの人生を支える事ができるやりがいのある診療に、チームの一員としてぜひ一緒に取り組んでみませんか?

病棟実習・手術見学・研究体験、どれも大歓迎です!
興味のある方は、ぜひ整形外科医局までお気軽にご連絡ください。