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[リレーブログ]

2025.07.14

佐賀大学医学部附属病院
平田寛人

【インド留学記⑤】右手とチャイと夜の病院。インド整形外科“リアル日常”を歩く

インド留学記⑤

佐賀大学整形外科 平田寛人

🍛カレーの食べ方

インドでは、想像通りカレーは手で食べます。
最初は強い心理的抵抗がありましたが、慣れてくると「手で食べる方が美味しいのでは?」とさえ思うように。


日本に帰ってもカレーを手で食べようか迷うほどでした。

もちろん口に運ぶのは右手です。しかし、意外にも左手の使い方はそこまで厳密ではなく、ナンをちぎるときなどには普通に左手も使います。
現代の宗教観が少しずつ変わってきているのかもしれません。

この食べ方に慣れてきた頃の動画は、Instagramに投稿していますのでチェックしてください!

 

🏥外来から始まる一日

この日も「8時半から外来だよ」と言われていたので、私は7時には準備万端で待機していました。
しかし案の定、ルームメイトは時間通りに起きず、出発は8時45分に。
途中、当然のように朝食に立ち寄るあたり、もうすっかり“インド時間”に慣れてきた自分がいました。

この日の朝食はドーサとイディリーという料理。そして付け合わせのスープが驚くほど美味い。


現地の人と一緒に暮らしてこそ味わえるローカルフードに、心もお腹も満たされていきます。

 

チャイと長い待ち時間

午後、手術の搬入待ち時間にはチャイを一服。
業務時間がとても長いインドでは、みんな何かにつけてチャイを飲み、そして注いでくれます。
甘くてスパイシーな「マサラチャイ」は、クセになる味わい。

「お前も飲め」と差し出されるたびに、彼らの温かいホスピタリティーを感じました。体重が気になりますがホスピタリティーは全て受け入れることに決めていましたのでありがたく全て頂戴しました。
腹持ちの良い食事が多いのも、長時間労働に備えた文化なのかもしれません。

 

🌇夕方から始まる外来

私が研修している病院では、午前・午後の業務に関係なく毎日18時頃から22時頃まで外来が続きます。


朝早くから夜遅くまで働く彼らには「勤勉」という言葉がぴったりでした。なぜそんなに頑張れるんだ?と聞いたところ、ある種「Fame」のためだ、今はレジデントだけどやはり自分の病院を持って良い仕事をできるようになるために頑張っているんだとのこと。また幼少期には「日本人のように勤勉であれ」と祖父母から教わったそうです。私自身も、この姿勢に強く胸を打たれ、「もっと頑張らねば」と感じました。

 

🌙夜中0時のビリヤニと、インド時間

そしてその夜。深夜0時半にルームメイトから「ビリヤニを買いに行こう」とのお誘い。
「今!?」と思いつつも、気づけば黙ってついていく自分がいました。

一緒に手で食べた深夜のビリヤニは、不思議な安心感と心地よさに包まれていました。

こうして――
右手でビリヤニやマサラを食べ、
チャイを通じて人とつながり、
予定通りにいかない毎日の中で、
少しずつ“インド整形外科医”としてのリズムができてきた気がします。

 

📸次回予告:
牛にどつかれ、猿ににらまれ、それでも沐浴!
聖なるガンジス川で、魂が少し洗われた気がした――。
リアルすぎるバラナシ弾丸ツアーをお届けします🌕🐮🕊
どうぞお楽しみに!