[リレーブログ]
2025.08.05
佐賀大学医学部附属病院
平田寛人
【インド留学記⑥】 牛にどつかれ、猿ににらまれ、それでも沐浴! 聖なるガンジス川で、魂が少し洗われた気がした――。
🚶♂️バラナシへの道
週末を利用してガンジス川への弾丸ツアーを決行することにしました。朝5時に予約していたUberに飛び乗るはずが、ちょうど5時に目が覚めるドタバタスタート。
慌てて準備し、なんとか空港へ到着。到着したバラナシは曇り空で、どこか神秘的な雰囲気が漂っていました。
空港からホテルまではUberで移動していましたが路地が細く車が入れず、途中で降ろされ、細い路地を歩いて向かうことに。
バラナシの路地は、ゴミ、動物、匂い、そしてハエの大群。
「これが噂のバラナシか…」と笑いながら歩く自分に、インド慣れを実感しました。
🐮牛と猿とバラナシの日常
途中、狭い路地に牛がいて道を塞いでいます。恐る恐る横を抜けようとしましたが気分を害してしまったようで牛さんにどつかれてしまいました(インスタグラムでは動画をUpしています)。現地の人はスレスレを通って行くのに、僕だけは牛を避けて遠回り。
「もう怖いって…」と心の中でつぶやきながらも、これがバラナシの日常なのだと受け入れていく自分がいました。到着したホテルの廊下では猿がくつろいでおり、従業員も気にする様子はありません。動物とも共生し、おおらかな時間の流れかたに自分の価値観が変わっていくことを強く感じました。
🍹BABAラッシーと家族の名前
たまたま見つけた「BABAラッシー」。
ここでは訪れた人が壁に名前を残す文化があり、僕も家族の名前と一緒に小さく刻みました。
「ここに来たよ」という証を、家族と共有できた気がしてなんだか嬉しい。
待ちに待ったフルーツラッシーは、想像以上にフレッシュで絶品でした。
🏊♂️いざ、ガンジス川へ
いよいよ水着に着替え、親族たちからの「絶対入るな」というメッセージを無視してガンジス川へ。大体ガンジス川に単身で向かうタイプの人が沐浴しないわけがありません。早速賑わっている沐浴場(ガートと言います)へ。ガンジス川への階段を下ると足元はぬるりとしていて、緑色の水面。まるで掃除前の小学校プールのようでしたが、全身で浴びる水はなぜか清々しく、汗をかいた体には気持ちよかったです。
現地の家族に誘われ、軽く泳いだり、写真を撮ってもらったり…。
気づけば笑顔で、子どもたちと一緒にガンジス川を楽しんでいました。最後にHolly waterを一口飲んで、沐浴を終えました。どこか清々しい気分になり身が清められた気分でした。
☕現地との触れ合いと混沌
街を歩くと30mごとに声をかけられます。「どこからきたんだ?写真撮って!」と声をかけられ、怪しいおっちゃんにはタバコを買ってくれとしつこく迫られる。「ボートに乗らないか?(有料ツアーのこと)」などまっすぐ歩けません。
途中で水を購入した店のお兄さんと親しくなり店の日陰で涼んでいると、俺のチャイはうまいからチャイを飲んでくれ!と言われて注文したマサラチャイは、初めて「まずい」と思ったチャイで、数口飲んでそっと処理…。
中には勝手にガイドを始め出す人もいます。「この人はきっと最後に“少しチップを”と言うだろう」と思いながら、それも含めて楽しみました。
こんな出会い一つ一つが「インド」を形づくっていると感じました。
🔥葬儀場と生の哲学
葬儀場では、死者を送り出す儀式を間近で見学。
・24時間稼働、1体に80kgの薪
・身分によって火葬場が分かれる
・僧侶や子どもは水葬
・葬儀中は泣かない(でも家では泣く)
・火をつける役割は家族内で決まっている
生と死が当たり前に共存するインドならではの価値観に、深く心を揺さぶられました。
説明を終えたガイドには「めぐまれない人に薪代を寄付してくれ」としつこく求められ、少額を渡すも文句を言われる…。「なんであげたのに文句言われるんだよ…」とモヤモヤしながらも、これも経験。
🌕満月と夜の語らい
夜は川沿いで満月を見ながらプージャ(儀式)を見学。
すぐに飽きてしまったけれど、ライトアップされたガンジス川と満月のコントラストが幻想的で、しばらく見惚れていました。
ホテルのルーフトップで食べたベジカレーとチャパティは素朴で美味しく、偶然隣に座った青年とコーラを分け合う。話をすると、彼は日本に片思いの彼女がいるらしく、恋の相談に乗ることに。ビールで乾杯し、夜は静かに更けていきました。この青年に翌日の朝、Uberが迎えに来られる場所までバイクで連れて行ってくれることになりました。大通りまでの15分程度、狭い路地をバイクで爆走しながら「お金持ちになったら貧しい人を助けたい」と語る彼。その優しさに胸が熱くなりました。
最後に一緒にチャイを飲み、「また来るよ」と言ってバラナシを後にしました。
🪷次回予告
混沌と神聖が入り混じるバラナシを離れ、ついにムンバイともお別れ。
次は南インド・コインバトールへ!
新たな土地、新たな仲間、そしてまた新たな「インドの真実」と出会う旅へ――
どうぞお楽しみに🌿✈