第19号をお届けします。
長かった梅雨も明け、今年も暑い夏がやってきました。水害に遭われた皆様には心よりお悔やみ申し上げます。
今回もいくつかの特集を組んでみました。これらについては以下に簡単に紹介します。
・新しい杖について
マジックハンド機能のついた杖について馬渡助教授に紹介して貰いました。これは患者様からのニーズに応えて、多くの方々の協力の下に開発販売までこぎつけたものです。価格をはじめまだまだ改善の余地はありますが、今後とも試行錯誤を重ねながらも様々なモノを開発して行きたいと考えています。
・痛みについて
園畑先生による痛みの第2弾として 「痛み」の歴史と分類について解説して貰いました。「疼痛対策グループ」の活躍により術後の痛みが半減したように感じています。園畑先生自身も2週例前後の股関節手術を担当しています。
・寛骨臼移動術後のアンケート結果について
北海道の「えにわ病院」で1年間の修行を終えた重松先生にアンケート調査結果の第2弾を報告して貰いました。ここでも痛みと動けないことが苦痛になっていることが明らかとなり、更なる改善を続けたいと考えています。重松先生も週2例前後の股関節手術を担当しています。
・身体活動量について
大学院生の田中(旧姓植木)先生に身体活動量の研究についての紹介とお願いを担当して貰いました。手術の前後で活動量がどのように変化するのか、いつごろから変化するのか判明しそうです。人工関節にしても骨切り術にしてもどの程度の運動をしても良いのか分かっていません。特に人工関節では運動量とポリエチレンの磨耗量との関係がこの研究で明らかに出来るのではないかと考えています。術後のポリエチレンの磨耗量についてレントゲンから計測していますが、今のところ術後5年程度ではこれまでに体重や年齢、職業別などに関係ないようです。つまり、最近の人工関節では5年程度の期間であれば、激しい運動をしてもあまりポリエチレンの磨耗は起こらないのではないかと思われます。いずれにしても長期間の正確な研究が必要ですので、より多くの皆様にご協力いただければ幸いです。
長かった梅雨も明け、今年も暑い夏がやってきました。水害に遭われた皆様には心よりお悔やみ申し上げます。
今回もいくつかの特集を組んでみました。これらについては以下に簡単に紹介します。
・新しい杖について
マジックハンド機能のついた杖について馬渡助教授に紹介して貰いました。これは患者様からのニーズに応えて、多くの方々の協力の下に開発販売までこぎつけたものです。価格をはじめまだまだ改善の余地はありますが、今後とも試行錯誤を重ねながらも様々なモノを開発して行きたいと考えています。
・痛みについて
園畑先生による痛みの第2弾として 「痛み」の歴史と分類について解説して貰いました。「疼痛対策グループ」の活躍により術後の痛みが半減したように感じています。園畑先生自身も2週例前後の股関節手術を担当しています。
・寛骨臼移動術後のアンケート結果について
北海道の「えにわ病院」で1年間の修行を終えた重松先生にアンケート調査結果の第2弾を報告して貰いました。ここでも痛みと動けないことが苦痛になっていることが明らかとなり、更なる改善を続けたいと考えています。重松先生も週2例前後の股関節手術を担当しています。
・身体活動量について
大学院生の田中(旧姓植木)先生に身体活動量の研究についての紹介とお願いを担当して貰いました。手術の前後で活動量がどのように変化するのか、いつごろから変化するのか判明しそうです。人工関節にしても骨切り術にしてもどの程度の運動をしても良いのか分かっていません。特に人工関節では運動量とポリエチレンの磨耗量との関係がこの研究で明らかに出来るのではないかと考えています。術後のポリエチレンの磨耗量についてレントゲンから計測していますが、今のところ術後5年程度ではこれまでに体重や年齢、職業別などに関係ないようです。つまり、最近の人工関節では5年程度の期間であれば、激しい運動をしてもあまりポリエチレンの磨耗は起こらないのではないかと思われます。いずれにしても長期間の正確な研究が必要ですので、より多くの皆様にご協力いただければ幸いです。
佐賀大学整形外科の抱える問題点
私たち佐賀大学整形外科の抱える最大の問題点は、限界を超える患者様方に支持され、来院いただいていることです。本来ならば、大変な名誉であり、病院を挙げてお応えすべきですが、大学病院という特殊性から整形外科だけが特別に大所帯となって多くの患者様の診療に当たるという訳には参りません。
・診療の限界
医師の数、病棟のベッド数、看護師の数、手術枠などいずれも効率化や努力だけではカバー出来ない状況になっています。入院期間も益々短くなり、手術待ちは1年を超えてしまいました。外来もパンク寸前で、外来予約も2~3週待ちとなっています。
それでも術後経過の診察は重要ですから少なくとも3年後、5年後、7年後、10年後には何とかして診察にお見えいただきますようお願い申し上げます。
七五三の診察と覚えておいてください。
・解決法
いくつかの解決法を考えています。そのひとつが手術の緊急度と難易度別の対応です。どうしても待てない患者様は新進気鋭(といっても15年の経験があります。)の園畑先生や重松先生などにお願いしています。また、場合によっては佐賀市近辺や福岡市内の病院での手術(私どもが出張します。)をお願いしています。
完全に脱臼している高位脱臼例や、再置換術など手術が難しい症例では私自身が老骨に鞭打って(?)担当させていただいてきました。今後もこのような方々の手術を担当させていただくためにも、普通の手術は出来れば若手の先生にお願いするか、お近くの病院での手術をお願いすることになるかもしれません。
若手の股関節外科医の育成が叫ばれています。皆様が不幸にしてもう一度手術が必要となった場合、その時手術を担当させていただくのは園畑・重松先生の世代かその次の世代です。
自分より「思いやりのある、腕の良い」股関節外科医の育成が私の使命です。
・診療の限界
医師の数、病棟のベッド数、看護師の数、手術枠などいずれも効率化や努力だけではカバー出来ない状況になっています。入院期間も益々短くなり、手術待ちは1年を超えてしまいました。外来もパンク寸前で、外来予約も2~3週待ちとなっています。
それでも術後経過の診察は重要ですから少なくとも3年後、5年後、7年後、10年後には何とかして診察にお見えいただきますようお願い申し上げます。
七五三の診察と覚えておいてください。
・解決法
いくつかの解決法を考えています。そのひとつが手術の緊急度と難易度別の対応です。どうしても待てない患者様は新進気鋭(といっても15年の経験があります。)の園畑先生や重松先生などにお願いしています。また、場合によっては佐賀市近辺や福岡市内の病院での手術(私どもが出張します。)をお願いしています。
完全に脱臼している高位脱臼例や、再置換術など手術が難しい症例では私自身が老骨に鞭打って(?)担当させていただいてきました。今後もこのような方々の手術を担当させていただくためにも、普通の手術は出来れば若手の先生にお願いするか、お近くの病院での手術をお願いすることになるかもしれません。
若手の股関節外科医の育成が叫ばれています。皆様が不幸にしてもう一度手術が必要となった場合、その時手術を担当させていただくのは園畑・重松先生の世代かその次の世代です。
自分より「思いやりのある、腕の良い」股関節外科医の育成が私の使命です。