臨床大学院2年 田中(植木)里紀
この股関節だよりをお読みの方の中には、もうすでにご協力をお願いした方もいらっしゃると思いますが、今回は私が現在行っている「身体活動量の調査について」の説明とご協力のお願いをこの場を借りてお話させて頂きます。
“身体活動量”?と思われる方もいらっしゃると思いますが、簡単に言ってしまうと“皆様が日常生活でどのくらい活動されているのか”を調査することです。しかし、1日中皆様と一緒にいて調査することもできませんし、皆様にどのくらい動いたのかを記録してもらうのも非常に大変です。いったいどうやって“皆様がどのくらい活動されているか”を調査するのでしょう。
答えは「万歩計」です(図1)。ただし、私達が使っているのはただの「万歩計」ではありません。この万歩計には“加速度”が計れる特殊なセンサーが搭載されており、運動の強さを10段階に分けて計測します(図2)。これにより、同じ1歩でも“歩く”と“走る”が区別されるのです。ご協力をお願いした方には、この「万歩計」を腰の位置に着けて頂き1日過ごして頂きます。(睡眠中や、入浴、プールなど水にぬれてしまうときは、はずして頂いています。) 10日間以上を目標に、手術前、手術後1か月、6か月、1年の時期に着けて頂くようにしています。データは、自分で記録したりリセットしたりする必要はなく、全て「万歩計」の中に記憶されていきます。「万歩計」を返却して頂いた際にコンピュータに接続してデータを取り出します。ご協力頂いた患者様には、簡単なグラフを用いたレポートを作成しお渡ししています(図3)。手術前、手術後で比べるなどして見て頂けると幸いです。
では、なぜこのような“身体活動量の調査”を行っているのでしょうか。手術をうける前、関節の痛みや、動きの悪さのために皆様の活動量は健康な方々より減少しています。この調査の目的は、手術前どのくらい“身体活動量”が減少しているのか、手術をうけた後どのくらい“身体活動量”が増加しているのかを調査することです。また、手術をうけた後の活動量が年齢、性別、職業等によってどのくらい違ってくるのかなどを調査していきます。さらに、これはずっと先の話になりますが、“身体活動量”が多い方と、少ない方で人工関節の寿命(いたみや、ゆるみの出る時期)に差が出るのかを調べることも目標にしています。人工関節を受けた患者様にとって人工関節の入れ替えの手術の時期は、とても気になることだと思います。運動はしなければいけないけれど、あまりたくさん歩くと早くいたむのでは?と心配される方もたくさんいらっしゃるでしょう。実際によく患者様から、「どのくらい運動すればよいですか?」などという質問もあります。しかし現在のところ、このくらい運動すれば入れ替えの手術が少し早くなりますよ!なんてことは、わかっていません。また、最適な運動量どころか、実際のところ運動が多い人が本当に早く入れ替えをしなければならないのかもわかっていないのです。このような調査は必ず必要になってきます。皆様の次の世代の方が手術を受けるときには、このくらいの“身体活動量”を超えると人工関節の寿命は短くなりますよ!と言っているかもしれません。ひょっとしたら、たくさん動いても、少ししか動かなくてもそんなに変わりませんよ!と言っているかもしれません。このように壮大?なことを考えながら調査を続けていこうと思っています。
皆様にはいろいろとご迷惑をお掛けする事も多いと思いますが、できる限り皆様の負担にならないように考えていきますので、是非ご協力をお願い致します。また、わかりにくい点や困った点なども、今後の参考にさせていただきますので是非教えてください。「万歩計」の受け渡しについてですが、入院日や外来受診の際に持って来て返却して頂くことを考えていますので、1か月ほど前に電話でお話をさせて頂き、ご協力頂けるようであれば、2週間前までに郵送させていただくことにしております。突然の電話になり大変ご迷惑をお掛けいたしますがどうぞご了承下さい。
現在までに着けて頂いた患者様の結果から、少しずつわかったことや、問題点も出てきました。このお話は是非次の機会にさせて頂こうと思っております。
大変わかりにくい説明で申し訳ございませんが今回はこれで失礼させて頂きます。

この股関節だよりをお読みの方の中には、もうすでにご協力をお願いした方もいらっしゃると思いますが、今回は私が現在行っている「身体活動量の調査について」の説明とご協力のお願いをこの場を借りてお話させて頂きます。
“身体活動量”?と思われる方もいらっしゃると思いますが、簡単に言ってしまうと“皆様が日常生活でどのくらい活動されているのか”を調査することです。しかし、1日中皆様と一緒にいて調査することもできませんし、皆様にどのくらい動いたのかを記録してもらうのも非常に大変です。いったいどうやって“皆様がどのくらい活動されているか”を調査するのでしょう。

答えは「万歩計」です(図1)。ただし、私達が使っているのはただの「万歩計」ではありません。この万歩計には“加速度”が計れる特殊なセンサーが搭載されており、運動の強さを10段階に分けて計測します(図2)。これにより、同じ1歩でも“歩く”と“走る”が区別されるのです。ご協力をお願いした方には、この「万歩計」を腰の位置に着けて頂き1日過ごして頂きます。(睡眠中や、入浴、プールなど水にぬれてしまうときは、はずして頂いています。) 10日間以上を目標に、手術前、手術後1か月、6か月、1年の時期に着けて頂くようにしています。データは、自分で記録したりリセットしたりする必要はなく、全て「万歩計」の中に記憶されていきます。「万歩計」を返却して頂いた際にコンピュータに接続してデータを取り出します。ご協力頂いた患者様には、簡単なグラフを用いたレポートを作成しお渡ししています(図3)。手術前、手術後で比べるなどして見て頂けると幸いです。

では、なぜこのような“身体活動量の調査”を行っているのでしょうか。手術をうける前、関節の痛みや、動きの悪さのために皆様の活動量は健康な方々より減少しています。この調査の目的は、手術前どのくらい“身体活動量”が減少しているのか、手術をうけた後どのくらい“身体活動量”が増加しているのかを調査することです。また、手術をうけた後の活動量が年齢、性別、職業等によってどのくらい違ってくるのかなどを調査していきます。さらに、これはずっと先の話になりますが、“身体活動量”が多い方と、少ない方で人工関節の寿命(いたみや、ゆるみの出る時期)に差が出るのかを調べることも目標にしています。人工関節を受けた患者様にとって人工関節の入れ替えの手術の時期は、とても気になることだと思います。運動はしなければいけないけれど、あまりたくさん歩くと早くいたむのでは?と心配される方もたくさんいらっしゃるでしょう。実際によく患者様から、「どのくらい運動すればよいですか?」などという質問もあります。しかし現在のところ、このくらい運動すれば入れ替えの手術が少し早くなりますよ!なんてことは、わかっていません。また、最適な運動量どころか、実際のところ運動が多い人が本当に早く入れ替えをしなければならないのかもわかっていないのです。このような調査は必ず必要になってきます。皆様の次の世代の方が手術を受けるときには、このくらいの“身体活動量”を超えると人工関節の寿命は短くなりますよ!と言っているかもしれません。ひょっとしたら、たくさん動いても、少ししか動かなくてもそんなに変わりませんよ!と言っているかもしれません。このように壮大?なことを考えながら調査を続けていこうと思っています。
皆様にはいろいろとご迷惑をお掛けする事も多いと思いますが、できる限り皆様の負担にならないように考えていきますので、是非ご協力をお願い致します。また、わかりにくい点や困った点なども、今後の参考にさせていただきますので是非教えてください。「万歩計」の受け渡しについてですが、入院日や外来受診の際に持って来て返却して頂くことを考えていますので、1か月ほど前に電話でお話をさせて頂き、ご協力頂けるようであれば、2週間前までに郵送させていただくことにしております。突然の電話になり大変ご迷惑をお掛けいたしますがどうぞご了承下さい。
現在までに着けて頂いた患者様の結果から、少しずつわかったことや、問題点も出てきました。このお話は是非次の機会にさせて頂こうと思っております。
大変わかりにくい説明で申し訳ございませんが今回はこれで失礼させて頂きます。
