今年の4月より人工関節学講座から整形外科教室の助教授に就任しました。仕事の内容にはほとんど変化はなく、相変わらず股関節疾患の臨床と研究活動に忙殺されています。佛淵教授の手術待ちの患者さんはついに1年待ちとなり、私の方も約半年待ちとなって、患者さんには大変ご無理を強いている状況です。教室および病棟スタッフ数、ベッド数、オペ室の手術枠などから受け入れられる患者数はおのずと限界があり、昨年1年間で行った股関節手術の700例が限度思われます。この症例数は国随一であり、世界的に見ても誇れるものだと自負しておりますが、さらに手術数を増やすためには、大学病院の強力なサポートが不可欠です。しかしながらさまざまな理由によりままならないため、現状では待ち時間を短縮させるのは不可能であり、こういった事情をご理解いただければと思います。
現況報告はこれくらいにしまして、本題の教室考案の新しい杖についてお知らせしたいと思います。
股関節手術とりわけ人工股関節置換術をお受けになった方は股関を曲げすぎると脱臼する可能性があり、しゃがみこむ動作が危険となります。床のものを拾い上げるのができない場合は市販のマジックハンドを使うことになりますが、術後間もない状態では杖も必要であるため、この2つのものを同時に持ち運ぶという煩わしい事態となります。このため
マジックハンドの機能を持たせた新しい杖を作ってほしいという患者さんの声にお応えする形でこの度アイハンド( i-Hand:iはintelligentの頭文字、Handは手:愛の手に通じる)と命名した多機能杖を開発、販売することになりました。詳しい仕様につきましてはパンフレットに載せていますのでご参考にしてください。値段は15,000円と高価ですが、かなり優れもので、購入された患者さんの評判もいいようです。現在、靴下履きを手助けする道具や履きやすい弾性ストッキングなども開発中で、少しでも患者さんのQOL(生活の質)の向上に役立つことができればと考えています。


また当然のことながら、人工股関節自体の研究開発も行っております。例えば人工股関節を受ける場合に皆さんが心配される術後脱臼に対しては、現在の人工関節が持っている許容可動域をさらに大きくることが解決の一法です。この目的のために教室で考案したのがツインリップインサートです。このポリエチレンインサートを用いることで許容可動域
が153度まで向上し、脱臼に対し有効であることが証明されつつあります。まだ限られた患者さんにのみ使っていて、一般化はしていませんが、こういう研究開発により患者さんの安心感が増してQOLも向上することと思います。その他にも研究プロジェクトはいろいろ進行中であり、成果はまた後日この場でも紹介する予定です。日本の股関節センターとして、「和式生活に対応した人工関節の研究開発」は私たちの使命と考えており、また股関節症の早期発見に向けた検診プロジェクトも立ち上げていて、今後も一層努力していく所存です。
現況報告はこれくらいにしまして、本題の教室考案の新しい杖についてお知らせしたいと思います。
股関節手術とりわけ人工股関節置換術をお受けになった方は股関を曲げすぎると脱臼する可能性があり、しゃがみこむ動作が危険となります。床のものを拾い上げるのができない場合は市販のマジックハンドを使うことになりますが、術後間もない状態では杖も必要であるため、この2つのものを同時に持ち運ぶという煩わしい事態となります。このため
マジックハンドの機能を持たせた新しい杖を作ってほしいという患者さんの声にお応えする形でこの度アイハンド( i-Hand:iはintelligentの頭文字、Handは手:愛の手に通じる)と命名した多機能杖を開発、販売することになりました。詳しい仕様につきましてはパンフレットに載せていますのでご参考にしてください。値段は15,000円と高価ですが、かなり優れもので、購入された患者さんの評判もいいようです。現在、靴下履きを手助けする道具や履きやすい弾性ストッキングなども開発中で、少しでも患者さんのQOL(生活の質)の向上に役立つことができればと考えています。


また当然のことながら、人工股関節自体の研究開発も行っております。例えば人工股関節を受ける場合に皆さんが心配される術後脱臼に対しては、現在の人工関節が持っている許容可動域をさらに大きくることが解決の一法です。この目的のために教室で考案したのがツインリップインサートです。このポリエチレンインサートを用いることで許容可動域
が153度まで向上し、脱臼に対し有効であることが証明されつつあります。まだ限られた患者さんにのみ使っていて、一般化はしていませんが、こういう研究開発により患者さんの安心感が増してQOLも向上することと思います。その他にも研究プロジェクトはいろいろ進行中であり、成果はまた後日この場でも紹介する予定です。日本の股関節センターとして、「和式生活に対応した人工関節の研究開発」は私たちの使命と考えており、また股関節症の早期発見に向けた検診プロジェクトも立ち上げていて、今後も一層努力していく所存です。