見学のお問合せ

2023.07.17

脊椎便り 第13号

  • ご挨拶[整形外科 准教授 森本忠嗣]
  • 脊椎変性疾患と腸内細菌[整形外科 准教授 森本忠嗣]
  • 近況報告[整形外科 講師 塚本正紹]
  • 近況報告[整形外科 助教 吉原智仁]
  • 近況報告[整形外科 助教 平田寛人]
  • 近況報告[国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科 戸田雄]

内容

ご挨拶

整形外科 准教授 森本忠嗣

2023 年4月からの佐賀大学脊椎班のスタッフは私(森本)、塚本先生、吉原先生、平田先生の4人です。戸田先生は整形外科領域の腫瘍を学ぶためにがんセンター(東京)で修行中で、来年からは佐賀で運動器(骨軟部)のがんの診療にも従事する予定です。2022 年度は新スタッフの平田先生の活躍もあり脊椎手術数は年間286 例(昨年は292 例)でした。コロナの影響で手術数が減るかなと思っていましたが、ほぼ例年通りの手術数でした。コロナも収束しつつあり、つらかった待機期間も終えて、夜明けのような感じの日々で、今年度は良い年になりそうな気がしています。

2000 年に発行された“ 股関節だより” に、2012年より“ 脊椎だより” も便乗で参画させていただき、当院で脊椎手術を受けられた皆様の安心、納得、満足につながるように、情報提供や交流の一助とさせていただきました。2023 年は、「佐賀大学整形外科教室だより」ということで、股関節班、脊椎班以外のチーフの投稿文もあるALL 佐賀大学整形外科の情報誌になっています。今後も皆様の安心、納得、満足に貢献できるように、整形外科スタッフと相談しながら、情報発信を続けて参ります。

馬渡教授の最後の股関節だよりです。馬渡教授には佐賀大学脊椎班の立ち上げから今まで大変お世話になりましたので、馬渡教授と脊椎班との関わりのエピソードをご紹介させていただきます。 皆様ご存じのように、佐賀大学はこれまでに佛淵先生を中心に、下肢関節外科を核とした高い医療水準を提供するための診療システムを構築し、2010年に馬渡教授が就任され関節外科以外の充実に着手され、上肢や脊椎でも同様に高水準の医療を提供できるようになってきました。…と書けば、スムーズに難なく上手くいったかのように思えますが、色々つらかったです。しかし、馬渡教授はじめ整形外科スタッフ(医師、秘書、コメディカル)のおかげでなんとかここまで辿り着けました。本当に感謝しています。

2011 年に、当時の医局長に大学勤務を命じられ、丁重にお断りさせていただきました。当時勤務していた佐賀記念病院は居心地がよかったし、大学の仕事のハードさは予想できていたからです。馬渡教授より「佐賀のために大学脊椎班の立ち上げを!サポートする。」とお話し頂き、脊椎班チーフとして脊椎診療の立ち上げに着手しました。救急・難治症例への対応、システム作り(ヒト:仲間づくり、モノ:手術器具の充実)、さらに、研修医・医学生教育、そして、大学なので研究も必須です。当時の私の座右の銘は「常在戦場」で気をぬかず油断せずを心がけており、ストレスの多い生活でした。大学勤務後、たったの3ヶ月で、早朝に嘔吐、黒色便を経験し、胃カメラの結果、胃・十二指腸潰瘍と診断されました。大学の仕事はやはりきつく、「ガラスの消化管の俺は、このままだと死ぬかも」などの考えが脳裏をよぎりました。馬渡教授より、「もう少し気楽に、皆でサポートするから。」とお言葉をかけていただきました。確かに張り詰めた日々で、孤独感も強く、もう少し仲間に頼ろうと反省した次第でした。多分、あのままだと心身を病んでいたかと思います。その後は、お言葉通りの十全のヒト、モノのサポートをいただきました。おかげさまで、後輩たちは実力をつけ、システムは充実し、最新の手術機器が配備され、安全安心の手術ができるようになりました(なお、半年ほどで胃薬は不要になりました。胃潰瘍の患者さんに接すると、心中を察し、労りの気持ちが強くなります)。

馬渡教授が医局体制を刷新されたことからわかるように、医局員の新しいことへの挑戦も積極的に推奨され、サポートしていただけたこともあり、若手の進取の気風が当科の特徴となっています。また、医局長としてお仕えした時にわかったのですが、医局員の長所を見つけ、陰でよく褒められていました。私も真似をして医局員の良い所を探すようになり、医局員ごとの長所リストを作成しました。そうすると、以前は後輩A の欠点を見つけると、鉄拳制裁の後に叱責でしたが、いやいや後輩A はこういう良い所もあるので、「お前らしくないぞ、どうしたんだ」と、心穏やかに対処できるようになりました(いわゆるアンガーマネジメントができるようになりました)。まだまだ、皆様にお伝えしたい話はありますが紙面の都合で、これくらいで。 さて、第14 号脊椎だよりでは、例年通り、脊椎班のスタッフの近況報告と、腸内細菌について情報提供をします。昨年は「3つの幸福」(樺沢紫苑)という本を紹介し、幸せホルモンについて記述し、利他の精神を推奨したりして、怪しい自己啓発セミナーっぽい内容でしたが、今回は少し学術的な内容です。腸内細菌と脊椎疾患には意外な接点もあり、今後、調査が進む内容だと思っています。楽しんで読んでいただけたら幸いです。

今後も、臨床と研究を両輪とする文武両道で邁進して行く所存です。佐賀大学整形外科の伝統である1日3回以上の回診を続けて、患者さんの診察をさせていただくなかで見えてくることを大事にしていきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。


脊椎変性疾患と腸内細菌

整形外科 准教授 森本忠嗣

脊椎変性疾患
 脊椎変性疾患とは高齢者に多い脊椎の疾患です。脊椎のパーツとパーツごとの病気の組み合わせで言えば、骨では骨粗鬆症、関節では変形性腰椎症、椎間板では椎間板変性症、靭帯では腰部脊柱管狭窄症、筋肉では脊椎サルコペニアなどがあり、いわゆるロコモの原因となる疾患です。これらの病気は年齢とともに増加し、相互に悪影響を及ぼしあいます。加齢以外の要因として、重労働(機械的ストレス)、外傷、遺伝、肥満、メタボリックシンドローム(メタボ)などが言われています。メタボは、肥満に糖尿病、高血圧(動脈硬化)、高脂血症(脂質異常症)が加わり、脳疾患や心臓疾患にかかりやすい病態ですが、免疫に関わるマクロファージを介して全身レベル(脳や内臓以外に、骨・関節・筋肉でも)で低レベルの慢性的な炎症の発生に関わり、さまざまな病気の一因の可能性があると報告されています。一例として、メタボ患者では荷重と関係のない手指や顎などの変形性関節症が多く、全身の慢性的な炎症が原因でないかと考えられています。

腸内細菌
 ヒトの腸内細菌の数は1000 兆以上、種類は1000種類以上で、いわゆる善玉菌と悪玉菌があります。善玉菌は栄養や代謝、病原体の侵入に対する腸のバリア、免疫などの働きがある一方で、悪玉菌が増えるとこれらの役割が阻害されたり、有害な物質が産生され、腸のがんの原因になったり、代謝や免疫が乱れて、全身に慢性の低レベルの炎症をおこし、アレルギーやメタボや認知症や全身のがん、そして、運動器の病気(脊椎変性疾患含む)などの原因になる可能性があるようです。

善玉菌が多いとカルシウム、ビタミン、非必須アミノ酸といった筋骨格の健康に役立つ物質が十分に体に吸収されます。また、短鎖脂肪酸(SCFA)、神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン)といった体によい影響を与える物質の合成にも関わります。セロトニン、ドーパミンといった神経伝達物質は炎症や痛みや感情(セロトニン、ドーパミンは幸せホルモンでしたね)の調節を行います。また、SCFAやビタミンも抗炎症作用や痛みの調節にも関わっています。一方で、悪玉菌が多いと体に有害な物質(例:リポポリサッカライド:LPS)が合成され体内の至る所で炎症を起こしたり、がんやロコモ(冒頭に記載した骨粗鬆症、変形性関節症、椎間板変性、腰部脊柱管狭窄症)やメタボや認知症の原因となったりするようです。 悪玉菌が増える大きな要因は、加齢(老化)と生活習慣(睡眠、食事、運動)の乱れです。また、生活習慣病であるメタボ患者は悪玉菌が増えており、メタボ患者の全身の慢性的な炎症の原因の一つと考えられています。

では、善玉菌をふやすには、どうしたらよいのでしょうか? 健康に重要な食事、睡眠、運動の改善が大事のようです。 食事は、バランスのよい食事、善玉菌をふやすヨーグルトや納豆や味噌汁などの発酵食品や善玉菌の餌となる野菜を多く摂取することを心がける。 睡眠は、7時間以上が良いようです。 運動は、定期的な運動をする方は善玉菌が多く、定期的な運動で善玉菌は増えていくようです。 さて、ロコモ(脊椎変性疾患含む)、メタボ、認知症といった加齢関連(老化)疾患の予防と治療で大事なのも、食事、睡眠、運動の改善であることがわかっています。こうなると、ロコモ、メタボ、認知症の予防・治療、あるいは発症・悪化には、腸内細菌・老化・慢性炎症という共通のメカニズムがあ
りそうだと推測できます。

ロコモの治療により、運動ができるようになれば、善玉菌は増えます。そうすると、腸内細菌が改善して、筋肉や骨にもよい影響が生まれますし、メタボや認知症も改善するといった正のスパイラルに至るようです。また、がん患者さんでは運動をしている人の方が、抗がん剤の治療効果も高いことがわかっており、ガイドラインでも抗がん剤治療中であっても積極的な運動が推奨されています。すなわち、骨・関節・筋肉・神経などの運動器に障害があり、運動ができなければ、がんの治療効果が低下するが、整形外科が治療して運動器障害が改善すれば運動できるようになり、がん患者の治療効果が高まるようです。やはり、運動は大事であり、運動器を治療する整形外科の役割の重要さを再認識した次第です。

腸内細菌と全身の器官や病気との強い関連から、Gut-brain axis(腸脳軸)、Gut-cancer axis(腸がん軸)、ロコモ関係ではGut-bone axis(腸骨軸)、Gut-joint axis(腸関節軸)、Gut-disc axis(腸椎間板軸)、Gut-muscle axis(腸筋肉軸)といった用語が提唱され、研究が盛んになっています(図)。我々は、メタボとの関連が強い胸椎後縦靭帯骨化症の患者さんの腸内細菌を調査しました(ご協力ありがとうございました)。その結果、炎症との関連が強い2種の菌が有意に多いことがわかりましたのでデータ解析がもう少し進めば、Gut-spine axis(腸脊椎軸)として報告する予定です。腸内細菌の研究は、「運動器の老化の予防」と「健やかに老いる」ことに貢献できる研究になるのではないかと考えています。余談ながら、こうして縷縷記載しましたが、私もメタボに該当するので、食事・睡眠・運動の改善に努めようと思います。


近況報告

整形外科 講師 塚本正紹

脊椎便りをご覧の皆さま、こんにちは。本年も近況をご報告させていただきます。 一昨年度より佐賀大学へ復帰し、もう3年目に入りました。本年4月より整形外科病棟医長を拝命し、6階東西病棟の入院患者様の調整などの業務を任されております。まだまだ慣れない業務+多くの雑用があり、1日が24 時間では足りないと思う日々です。そんな中、COVID-19 も5月8日より5類感染症になり、社会も以前の様相をとりもどしつつあります。大学でも術前の全例コロナ検査が中止となり、面会も(まだ短時間ですが)可能となりました。

ご家族と楽しそうに話されている入院患者さんをお見掛けすると、本当に良かったと思います。 さて私自身の近況ですが、ここ数年この脊椎便りで釣りのことを書いておりましたので、外来で患者さんから「先生、釣り行きよると?最近どうね。」などとお声がけを頂く機会が増えました。返事はだいたい「忙しくて、行けていませんねぇ。」となっていますが、脊椎便りを読んでいただけているのだなぁと有難く思います。昨年、佐賀に病診連携で講演に来られた先生からも、「佐賀大学整形外科には、股関節便り・脊椎便りという究極の病診連携ツールがあるじゃないですか。釣りの話なんか、患者さん喜びますよ。」とお褒めの言葉を頂戴しました。白衣を着ていない私達のことを少しでも知っていただくことがいい医療に繋がれば幸いです。

肝心の釣りですが、残念ながら本当に行けていません…。年に3回程度行ければ良いかなと思います。最近での一番の釣果は、昨年初冬に北山ダムに行ったワカサギ釣りで、その時は息子と娘と私の三人で、1時間くらいで50 匹程度のワカサギが釣れました(雨が降ってきて途中で断念しました)。全てフライにして頂きましたが、新鮮なワカサギは少しほろ苦くて甘くて本当に美味でした。今シーズンの解禁日が今から待ち遠しいです。来年の脊椎便りでいい結果を御報告できるように、100 匹を目標に頑張ります。 最後になりますが、脊椎便りをご覧になっている皆様が、本年もお元気で健やかに過ごせますようにお祈り申し上げます。


近況報告

整形外科 助教 吉原智仁

2019 年3月に大学院を卒業し、臨床に復帰して早くも4年が経過しました。大学病院勤務は大学院を含めて11 年目となります。本年度もこれまで同様、佐賀大学整形外科脊椎班で診療を継続させていただくことになりました。昨年度も頸椎・胸椎・腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、頚髄症、外傷性・骨粗鬆症性椎体骨折、頚髄症、脊髄損傷、脊髄腫瘍、転移性脊椎腫瘍、化膿性脊椎炎など多種多様な脊椎・脊髄疾患の治療に携わらせていただきました。すべての患者さんが術後経過が良いというわけではなく、脊柱管狭窄症ではしびれが残存したり、脊髄損傷や頚髄症、胸髄症では筋力低下や歩行障害などの症状が続くことも少なからずあります。そのような場合には責任をもって可能な限り大学での外来定期受診をしていただき、症状に合わせて内服治療やリハビリなどを行っていくように心がけています。

担当させていただきました患者さんの数も多くなり、外来では再来時でも1時間以上、お待たせすることもありますが、みなさまより優しいお言葉をかけてくださり、心より感謝するとともに、ご迷惑をおかけしましたことを申し訳なく、心より深くお詫び申し上げます。 外来は水曜日と金曜日の週2日行っておりますので、何か症状に変化がある場合には次回の定期受診まで待たずに、電話連絡をしていただき、なるべく早めに受診していただくようにお願い致します。本年度も、脊椎・脊髄病をお持ちの患者さんのために頑張っていきますので宜しくお願い致します。

毎年恒例のプライベート報告ですが、2021 年4月に植樹した藤の花(九尺藤、本紅藤)と桜(不動明王桜)ですが、桜は満開(樹高:2022年50cm → 2023年80㎝)となり、昨年花が咲かなかった藤の花はやっと花をつけました!(数房ですが…(笑)) また毎年4月になるとツバメが巣作りを始めるのですが、今年も勝手口に1か所と駐車場に2か所同時に3世帯のツバメの親子が巣作りをしました。しかし、カラスの襲撃に会い、巣がばらばらにされるというトラブルがありましたが、幸いなことにその時はまだ卵が産まれておらず、雛たちの命が奪われることはありませんでした。被害当日に自作ではありますが、カラスが出入りできない間隔で麻紐をはりました。それ以来、狙われていないので効果はあったのかなと思います。昨年は30 羽近い雛が飛び立っていきましたので、今年も命を落とすことなく、無事飛び立っていってほしいものです。

もう一つ、今年7月に極小豆柴を迎えいれることにきまりました。2年前より子供たちと犬を飼う計画を考えていたのですが、やっと家族に迎え入れる体制が整いました。大切に育てていこうと思います。 まだ寒暖の差が激しい時期ではございますが、皆様のご健康の程、心よりお祈り申し上げます。


近況報告

整形外科 助教 平田寛人

みなさまこんにちは。今年も脊椎だよりをお届けする季節がやってまいりました。 この1年、みなさまはどのような1年だったでしょうか。2020 年以降、コロナに翻弄される日々でしたが、今年に入り徐々にコロナ禍の規制が緩和され始めました。私たち医療界でも少しずつ会合の規制が緩和され、人と人との繋がりを感じることが増えてきました。コロナ禍以前の生活が返ってきたことを実感します。学会や講演会もこれまではオンラインで行われていましたが、最近は現地開催されるようになってきたため、学びの場も増えて嬉しい限りです。

さて、馬渡教授が2024 年3月に退官されます。馬渡先生は臨床においてはみなさんご存知の通り“ 凄腕” の先生ですが、臨床以外では研究や教育にも熱心に取り組まれてきました。私自身、これまでも馬渡先生から多くのことを学んできましたが、退官されるまでに更に多くのことを学びたいと思います。 私は佐賀出身ではありませんが、10 年前に佐賀大学の整形外科に入局することを決めました。実家近くの大学の整形外科に入局するか最後まで迷いましたが、最後の決め手は、馬渡教授が私に米国留学の機会を約束して下さったことでした。そして、2021 年4月から1年間、馬渡先生の御高配で米国スタンフォード大学に留学する機会に恵まれました。去年の脊椎だよりにも書きましたが、米国の生活はとても充実したものとなりました。

さて、私は帰国から1年が経ち、日本の仕事もだいぶ軌道にのってきました。今後、臨床において更に熱心に取り組むのはもちろん、学生教育や研究にも力を注いでいきたいと考えています。昨年度、私は特に曜日を決めずに不定期で外来をしておりましたが、本年度からは金曜日の午前中に外来枠を設けて診療にあたります。まだ不慣れなことも多いため、ご迷惑をおかけすることも多々あるかと思いますが、精一杯頑張ります。

研究活動としては引き続き骨代謝(骨粗鬆症)の研究をおこなっていきます。昨年度は自分の研究室を立ち上げるための準備を進めました。つい先日、実験を手伝ってくださる技術補助員の方に来ていただき、どうにか研究活動をスタートすることができました(写真参照)。まだ私と技術補助員の方の2人の小さな研究室ですが、今後少しずつ発展できればいいなと考えています。研究の進み具合は来年の脊椎だよりでまたご報告しますが、それまでに少しでも研究が進むよう、頑張ります!

私生活では2人の娘はそれぞれ5歳、3歳になりました。休みの日は娘たちと公園に行き、遊具で遊んだり、凧揚げをしたり、ピクニックをしたりして過ごしています。早いもので長女は来年小学校に入学します。彼女は何色のランドセルを選ぶのでしょうか…? ここまで読んでいただき、ありがとうございました。最後になりましたが、股関節だより・脊椎だよりを読まれている皆様のご多幸を祈念いたします。


近況報告

国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科 戸田雄

脊椎だよりをご覧の皆様、こんにちは。 先日、COVID-19 が5類になり、制限が緩和されてきました。長いトンネルから抜けた印象があります。私は本原稿執筆直前に、韓国で行われた学会に参加してきました。久々の海外学会への現地への参加であり、とても刺激を受けました。同時に自分の英会話の能力の低さに辟易し、日ごろからの練習が必要だなと痛感されられました。

さて、臨床の方は東京にあります国立がん研究センター中央病院での国内留学も早いもので最終年度となりました。がん専門病院で学ぶことはとても多く、日々勉強させていただいております。本年度で研修を終えて佐賀に戻る予定ですのが、佐賀に学んだことを持ち帰りたいと思います。 今の日本は高齢化しており、がんの患者さんの数も増えています。かつてとは異なり、骨転移を有したまま、生存できる患者さんも増えてきました。そのため、骨転移に伴う様々な問題が起こるようになっております。そのような患者さんのお力に少しでもなることができたらと考えております。手術あるいは非手術での治療法をご一緒に考えていけたらと思っています。

私の病院は旧築地市場に隣接しており、今は観光客数も徐々に戻りつつあり、外国の方も多く見受けられます。築地市場の活気に負けないように、私も頑張っていきたいと思います。