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[リレーブログ]

2020.02.25

多久市立病院
北島 雅人

孔子の里 多久市立病院

みなさんこんにちは。

2019年4月より多久市立病院で勤務しております整形外科4年目の北島です。

第4回以来の投稿となります。

 

前回の井上先生から好きな関節はどこですか、とのことでした。自分として最近気になっているのは肘関節でしょうか。最近、両肘とも屈曲位にしている時間が長くなると尺骨神経領域にしびれがでます。一時的なものですが、肘部管症候群のではないかと思っています。もしかしたらガングリオンでもできているのではとどきどきしていますが、エコーあてて実際あっても困るので、絶賛経過観察中です。

 

<はじめに>

よく名称を多久“市民”病院と間違えられることが多いですが、“市立”病院が正解です(自分も当初は間違えていました。)

<多久市紹介>

多久市は近年佐賀県内でも人口減少、高齢化が非常にすすんでいる地域です。人口は1万8千人ほどで、wikipediaによると全国の市の人口順で794/815位・・・。

多久市は孔子を祭る聖廟があることから “孔子の里”を謳っており、夕方になると市内放送で軽快な音楽とともに、論語の一説が流れてきます。ぜひ、皆さんにも一度は聞いてほしいところです。

<病院紹介>

当院は佐賀市内より30分ほど離れた多久市にあり、総病床数105床(一般病床60床、療養病床45床)、整形外科、外科、内科を中心に非常勤あわせ6診療科の診療対応を行っている公的病院です。整形外科は自分を含め3人での診療体制となっています。平日午前は外来診療を、午後から手術・病棟対応を行っています。年間手術件数は300件前後で、大腿骨近位部骨折、撓骨遠位端骨折などの骨折手術の他、膝、肩関節鏡視下手術や人工関節(TSA/RSA、TKA、THA)など幅広く対応しております。大腿骨近位部骨折などは日程や内服内容次第ではありますができるだけ当日手術を目標としています。私も外傷などのみならず、慢性疾患に対する人工関節手術や骨きり術などいろいろ経験させていただいております。また、手術治療だけでなく麻酔科常勤医がいないため、腰椎麻酔のほか上肢、肩関節周囲手術については自分たちで伝達麻酔を行っています。

当院で特筆すべきこととしては手術加療にとどまらず、高齢者の多い地域でもあることから骨粗鬆症に対して病院全体として積極的に関わっているところでしょうか。地域イベントを通しての啓発活動に加え、骨粗鬆症が疑われる患者様には問診などを通して骨密度測定をすすめ早期受診、治療へとつなげています。2019年9月からは最新の骨密度測定器が導入され、さらに質の高い治療介入が可能となりました。

病院そのものは写真から察していただけますとおり、近年は老朽化が問題となり、小城市民病院と合併にむけて協議中です。令和7年4月での新病院開院を目標に調整が続けられているようです。高齢、過疎化がすすむなか、地域、患者様のために適切な機能を果たせる病院となるよう、合併がうまくいくことを願うばかりです。

 

最後に自分もついに30歳になりましたが、論語の有名な一説に“十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順したがう。七十にして心の欲するところに従えども、矩のりをこえず”とあります(詳細な意味は調べてください)。自分の立場を自覚して、行動していく年になったのだと痛感するきょうこのごろです。

 

では次の先生へ 好きな関節はどこですか?

 

写真1 整形外科スタッフ集合写真

写真2 たくまつりでの骨粗しょう症検診 集合写真

写真3 多久市立病院 外観

写真4 多久聖廟

写真5 孔子像