[リレーブログ]
2021.04.12
嬉野医療センター
杉野 晴章
いい湯だな、あははーん♪ 嬉野温泉で美肌になろう!
リレーブログをご覧いただいている皆様、こんにちは。
整形外科4年目の杉野晴章です。今回はvol.30ですね。
ちょうど1年前に済生会唐津病院の紹介をしましたが、2020年4月からは佐賀県嬉野市にある嬉野医療センターに赴任し、1年間勤務させていただきました。
このブログが世の中に出回るころには、佐賀県杵島郡にある白石共立病院で勤務していることでしょう。
あ、ということは、今はもう整形外科5年目になっているということですね。
好きな骨、関節ですが・・・
好きというより最近気になったのは三角筋です。
先日、新型コロナウイルスのワクチンを接種しましたが、その日の夜から翌日の夜までの間、三角筋の痛みがかなり強かったです。肩関節の外転が70度くらいまでしかできませんでした。屈曲はできるので顔も髪も洗えはしましたが、筋肉が一つ使えなくなるだけでも不自由ですね。
1年間勤務した嬉野医療センターでは、3次医療機関ならではの症例を数多く経験させていただき、成長させていただくことができました。仕事→温泉→居酒屋の流れも経験できました。私生活も大変充実しておりました。スタッフの皆様ありがとうございました。
病院紹介に関しては、4月から僕の後任として赴任されている野々上先生にお任せしたいと思います。よろしくね。
今回は整形外科新専門医プログラムについて話そうかと思います。
野中先生や吉里先生のブログでも少し触れられていましたが、1月末に整形外科専門医試験を受験しました。今回は新型コロナウイルスの影響もあり、試験会場が密となることを回避するために、全診療科のなかで初めてCBT形式での試験となりました。全国各地の会場でPCを使って受験することができ、密を避けることもできましたし、何よりも佐賀会場には知り合いしかいなかったため、過度に緊張することもなく試験に臨むことができました。サーバーのトラブルなどありましたが、小児科や外科の専門医試験が中止となる中、無事に試験を開催していただけてありがたかったです。
僕たちの学年から新専門医プログラムが始まり、その兼ね合いで1学年上の野中先生たちと一緒に受験していたのですが、2月末に発表があり、受験者全員合格することができました。これまで勤務した病院の指導医の先生方をはじめ、お世話になった同門の先生方に感謝申し上げます。
昨年10月の末次先生のブログで、専門医試験について書かれていましたが、新専門医プログラムでは内容がかなり変わりました。
僕たちが初年度で、全容を把握するのがかなり大変だったので、このブログをお借りして後輩の専攻医たちとこれから整形外科医を目指す研修医・学生の皆さんのために、専門医試験までの大まかな流れをお教えしようと思います。
これまでは4年間の勤務を終え、5年目の7月までに症例レポートをまとめて願書を提出し、受験資格を得て5年目の1月の受験に臨むという形でしたが、新専門医プログラムでは、4年目の1月に受験します。願書も症例レポートもありません。
4年目の12月までの45ヶ月の勤務期間の中で、経験すべき症例が指定されていますので、それを整形外科学会の会員ページに登録していきます。並行して学会発表したり、論文を書いたり、研修会の単位を取得したりしていきます。
- 経験すべき症例(約160例)を9割以上登録している
- 手術症例を①の分も含めて160例(執刀は最低80例)以上登録している
- 研修会単位30単位(※腫瘍は日整会主催の学会での取得が必須)
- 学会発表または論文発表の申告
- 自己評価(指導医の承認が必要)
4年目の11月までにこの4つが満たされれば受験資格が得られ、1月に受験します。
①の残り1割は3月までに登録を完了すれば、専門医試験合格と合わせて、3月末日に晴れて専門医となります。
一番大変だったのが、症例登録です。逐一登録していかないと忘れます。外傷での血管損傷5例とか外傷での神経損傷5例とか、なかなか出会いません。いや、出会いはするんですけど、登録していなかったら忘れますし、探し出すのが大変です。
特に、大学では経験できるのですが、主治医が救急や形成外科であることがほとんどなので、まず探し出せません。大学や3次医療機関にいる間に救急外来だけでも経験した場合はすぐに登録することをお勧めします。
単位取得で間違えやすいのが腫瘍の単位です。
腫瘍の単位は日整会か骨軟部腫瘍学会の中で開催される特別研修会でしか取得できません。
全部で3単位必要ですが、骨軟部腫瘍学会では2単位、日整会では1単位です。日整会にしか参加しない場合は3回受講する必要があります。たまにセミナーで見かける腫瘍の単位は専門医更新にしか使えないので、中止して下さい。
発表の申告には抄録集の表紙と自分の抄録ページのPDFが必要ですし、学会発表の申告には掲載された論文雑誌のPDFが必要です。
こんなのどこにも書いていませんでした。直接日整会に問い合わせて初めて知りました。
さすがにないと思いますが、自分が発表した論文雑誌と抄録集は捨てずにとっておくことをお勧めします。
自己評価は201項目を自己評価しますが、指導医の承認が必要です。
指導医の先生は研修プログラムのページなんてほとんど見ないので、自分から連絡して承認を依頼することをお勧めします。
試験内容としては、口頭諮問はなく、筆記試験のみが予定されていました。今回はCBT形式となりましたが、今後はこのままCBT形式で継続されるか、筆記試験となるかは不透明です。
「標準整形外科」と「整形外科卒後研修Q&A」が必須アイテムなのは変わりません。
あとは、日整会雑誌のvol.4には毎年過去問が掲載されています。HPからも見られます。
Q&Aと過去問から6割以上出題されていると発表されていますので、問題集と過去問を軸に勉強することをお勧めします。
つらつらと、試験勉強よりも面倒くさかった受験資格獲得に向けての流れを書かせていただきました。長文ですみません。後輩の皆さんは参考にしていただければ幸いです。
少し個人的な話をさせていただくと、昨年9月に第2子が誕生し、2児の父となりました。
待望の男の子でしたので、今からすでに何のスポーツをするようになるか楽しみです。
2児の父として、4月からも新天地でがんばります!!
次の先生へ。
好きな骨、関節はどこですか?