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[リレーブログ]

2023.05.10

佐賀大学大学院医学系研究科博士課程 2年生
吉里広

大学院への招待~再生医療に興味はありませんか?~

リレーブログをご覧の皆様、こんにちは。

いつもリレーブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。

整形外科7年目の吉里広です。本ブログでは、3回目の登場となります。

 

先日、元気な双子の赤ちゃんを出産された、古賀先生からの質問

「整形外科になってよかったとおもった出来事はありましたか?」

102歳の大腿骨近位部骨折の患者さんを手術することがあり、術後経過を心配していましたが、無事に歩いて自宅退院された時には本当に嬉しかったです。整形外科診療の大いなる可能性を感じました。

 

本リレーブログは、市中病院に勤務する若手医師の奮闘記や心温まるプライベート記事などが中心となってきましたが、今回は趣向を変えて、大学院の紹介させて頂きたいと思います。

私は大学卒業後、7年間、外来や手術などの臨床診療を経験して大学院へ進学しました。

大学院へ進学する理由は様々だと思いますが、私の場合は、骨欠損の治療に難渋した経験から、骨の再生医療に興味を持つようになった事がきっかけとなりました。また、「後輩の指導ができるようになりたい」というもの、理由の1つです。以前、研修医や後輩医師を指導する機会がありましたが、自らの実力不足を痛感しました。もちろん、知識不足や経験不足もありますが、それ以上に、視野が非常に狭いことを切に感じました。骨に対する興味と、自らの視野を広げたいとの願望が、大学院への進学を決意した理由です。

一般的な進学理由としては、「臨床と異なる体験をしてみたい」、「人と違うことをしてみたい」、「基礎研究をしてみたい」、「ものごとを論理的に深く考察できるようになりたい」、「学会発表や論文作成の経験を積みたい」などの理由が挙げられると思います。

 

私は医学部付属再生医学研究センターに所属しておりますが、当研究室はトップの中山教授が開発に携わった、剣山式バイオ3Dプリンタが最大の特徴で、細胞のみで様々な形状の3次元構造体を作製することができます。プリンタで作製した細胞構造体は、実験動物へ移植され、有効性の検証が行われています。剣山式バイオ3Dプリンタは佐賀大学以外にも、多くの大学や研究機関で活躍しており、末梢神経や血管の領域では臨床試験まで進んでいます。整形外科分野では他にも、軟骨、骨、腱など幅広い領域で研究が進められており、私は骨再生の研究に参加させて頂いています。細胞やラットを使用した実験を進めていますが、骨癒合の不思議さ、素晴らしさを感じています。

当科からは野中俊宏先生が一番槍の大学院生として、当センターに配属され、私も多くのご指導を頂いてきました。4月からは新しく樫本翔平先生が配属され、仲間が増える喜びを感じています。

大学院生の生活は、臨床以上にON、OFFがはっきりしています。多くの実験が重なった時には、朝4時から実験を開始したこともありましたが、OFFの時間には自分の人生について考えたり、新たな分野について、興味関心を持つことができると思います。そのような意味でも少しばかり、視野は広くなったのかもしれません。最近は経済や金融について興味があり、経済ニュースは毎日のようにチェックしています。臨床の頃には考えられなかったことです。

若手の先生にとって、重要な問題は「大学院へ進学した方が良いのか?」ということだと思います。もちろん、その人の価値観、背景、将来の目標などにより、答えは変わってくると思いますが、現時点での私の答えは「迷っているなら進学した方が良い!」です。

私も多くの先輩方よりアドバイスを頂きましたが、大学院卒の先生は、全員が進学を勧めていました。もし、大学院や当研究室について、更に詳しく知りたい若手の先生がおられましたら、気軽にご相談ください。

趣味の写真ですが、最近は撮影に行けておりませんので、過去に撮りためた中から、この時期らしい写真をいくつか紹介します。新緑やバラ、藤など、色彩豊かな美しい季節になりましたね。月末にはホタルも堪能できるでしょう。

長くなりましたので、この辺りで失礼します。前回からの質問は素晴らしいと思いますので、続けさせて頂きます。

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「整形外科医になって良かったと思った出来事はありましたか?」